内容紹介
2025年3月6日に急逝した、北海道を代表する彫刻家・國松明日香の追悼展が6月6日より開催された。展覧会に際し刊行される本書では、最初期からの彼の作風の変遷や、地域文化に積極的に関わってきた資料をもとにその軌跡を辿るとともに、國松明日香をよく知る25人の証言から、その人柄や制作姿勢、周囲に与えた影響などを多面的に浮かび上がらせる。
作品の図版、パブリック・スペース設置リスト、25人の寄稿文や年譜も掲載。
本書は、本郷新記念札幌彫刻美術館で2026年6月6日~9月27日開催の「追悼 國松明日香展」に合わせて刊行されました。また、クラウドファンディングの実施により制作が実現されました。
〔國松明日香(くにまつ・あすか)略歴〕
1947年北海道小樽市生まれ。札幌市民文化奨励賞、北海道文化賞奨励賞、札幌芸術賞、北海道文化賞など受賞多数。1980年代半ば頃から、金属を素材とした作品を制作。
札幌駅前通りや札幌ドームなど、パブリックスペースヘ設置する作品を多数制作している。
目次
はじめに
追悼展開催にあたって─國松明日香とはなんだったのか (吉崎 元章)
ふたつの個人様式の成立―彫刻家、國松明日香の足跡を辿りながら― (岩﨑 直人)
第一章 生い立ち〜東京藝大〜札幌に戻ったころ
生い立ち〜画家の父と異なる彫刻の道へ
大学・大学院時代の実験的な試み
札幌に戻って〜版画の継続
コラム 《DANGER HIGH VOLTAGE》の頃 (佐藤 友哉)
第二章 記憶の中の風景を求めて
再び彫刻へ
小樽の思い出からの造形
具象への接近
The Town at Sunset
北海道現代作家展への参加と離脱
飛生へ
飛生で得たインスピレーションが時間を経て彫刻へ
第三章 街なかの空間を活性化させる造形
モニュメントをつくる
パブリック・スペース設置リスト
モニュメント彫刻の制作過程
石山緑地
第四章 行き先を決めない旅
自らの手で仕上げられる環境
塑造と実材での制作の間
北国の風と水と光に形をあたえる
最後の年に
植物のような有機的なかたち
南区芸術祭
國松明日香をめぐる25人の証言
国松 希根太、國松 加那太、斉藤 浩二、田中 照比古、渡辺 直行、増田 春雄、樂 直入、中島 洋、大滝 憲二、近藤 泉、伴 百合野、勝見 渥、八子 直子、ケリー・デットワイラー、山谷 圭司、齊藤 雅也、八代 克彦、山口 大樹、高橋 淑子、臼井 幸彦、中島 義博、梅田 力、細川 清映、吉村 卓也、菊地 辰徳
國松明日香 年譜
主要参考文献
出品リスト
クラウドファンディングでご支援いただいた方々
著者紹介
本郷新記念札幌彫刻美術館(ほんごうしんきねんさっぽろちょうこくびじゅつかん)
1981年6月に札幌彫刻美術館として開館。戦後日本を代表する彫刻家・本郷新の遺族からアトリエとギャラリーを兼ねた邸宅と作品を譲り受け、邸宅を記念館とし、隣接地に本館を建築し発足。記念館は上遠野徹、本館は田上義也と当時活躍していた建築家の設計。
2007年に札幌市芸術文化財団に統合され「本郷新記念札幌彫刻美術館」と改称。現在、本郷の彫刻・絵画など1,800点余りの作品を所蔵するほか、子どもの文化芸術体験事業や市民向け連続講座など、教育普及事業にも力を入れている。
上記内容は刊行当時のものです。