内容紹介
「工房家具」の担い手・高橋三太郎は、1980年代から札幌を拠点に目覚ましい活動を展開している木工家で、すべてを一人の手で完結できる個人工房のかたちにとらわれず、多くの建築家、木工所と積極的に協働し、椅子を中心とした良質な家具を世に送り出している。公共建築のために製作された椅子やベンチなどは、建築空間をより豊かに表現し、特に評価が高い。
本書では、関係する4名の寄稿と高橋三太郎自身の言葉により、これまでの人生と仕事を語った。
工房家具という木工のスタイルを振り返り、“高橋三太郎のカタチ”に迫る一冊。
北海道立近代美術館で2015年9月1日~12月6日に開催の「高橋三太郎展 放浪する木工家とそのカタチ」関連書籍。
目次
はじめに
日本の木工家と椅子/島崎 信
私の北欧デザイン修業/中村 曻
「木工家」についての私的考察/谷 進一郎
建築家の役割と家具/照井 康穂
木工家の生まれ方 カタチの生まれ方/高橋 三太郎
北海道立近代美術館「高橋三太郎展」の記録/北海道立近代美術館
Profile
クレジット
著者紹介
高橋三太郎(たかはし・さんたろう)…1949年名古屋生まれ。1968年北海道大学に入学後、71年から74年までヨーロッパを中心に海外を放浪。木への興味を胸に帰国後は札幌に戻り、木工工房設立準備の傍ら、各地の木工家と交流を重ねる。
1982年に家具工房santaroを設立。活動の中で椅子への興味が増し、1984年の酪農学園大学黒澤記念講堂の椅子を皮切りに、芽室町図書館、ニセコ有島記念館、かでる2・7、恵庭市立図書館、札幌コンサートホールKitaraなどの公共建築の椅子・ベンチ及び家具を手がける。
上記内容は刊行当時のものです。