内容紹介
「非常に明晰なシンプル美」――清廉な空気をまとい、緻密に構築された独特の静物画で知られる笠井誠一。北海道から戦後、17歳で単身上京して以後、渡仏を経ながら「形と形の織りなす様々な空間の追究」を続けてきた。
本書は2015年に生地・札幌で行われた初の大規模な個展の図録。同展覧会に出品された初期の風景表現や人物画、滞欧時の作品から近作に至るまでの静物画等、約120点の作品と資料が紹介され、北海道が生んだ現代具象画の巨匠の67年にわたる歩みを一望できる。
【期間限定AR動画公開】
期間:2015年2月1日~2016年1月24日 ※公開期間は終了しました
スマートフォンやタブレット端末から、ARアプリ「COCOAR」で笠井誠一の画業を紹介するドキュメンタリー映像をご覧いただけます。
※ご利用端末の機種・バージョンによってはご覧いただけない場合がございます。アプリインストール時に「動作確認端末」をご確認ください。
目次
メッセージ 笠井誠一
札幌・東京 絵画の道を志す
パリへ 自らの絵画表現を求めて
帰国 日本での基盤を固める
洗練のとき 伸展する活動
円熟の功 さらなる深み、さらなる地平へ
資料 油彩以外の作品、デッサン
「笠井誠一と札幌」 吉崎元章
「笠井誠一の形とその空間性」 佐藤康平
略年譜
作品リスト
謝辞
著者紹介
笠井誠一(かさい・せいいち)…1932(昭和7)年北海道札幌市生まれ。生家は手芸材料商を営む(マリヤ手芸店)。
1949年、北海道札幌西高校在学中の17歳の時に画家を志し単身上京。武蔵野美術学校を経て、東京藝術大学・同専攻科を修了後、1959年に給費留学生として渡仏。1966年の帰国後は愛知県立芸術大学で教鞭をとる。2012年、80歳で瑞宝中綬章を受章。現・愛知県立芸術大学名誉教授。
札幌芸術の森美術館…1990年9月に北海道札幌市南区の複合文化施設・札幌芸術の森に開館。
札幌・北海道ゆかりの作家の作品および、国内外の近現代美術などを収集の核としつつ、多彩な内容の特別展を開催。野外美術館、佐藤忠良記念子どもアトリエを併設している。
上記内容は刊行当時のものです。