内容紹介
「札幌美術展」は札幌芸術の森美術館が毎年開催している企画展。
2021年10月からの同展では、北海道千歳市に生まれ、現在札幌市と石狩市を拠点に活動する佐藤武を取り上げます。
本書は、2021年10月9日~2022年1月10日開催の同展の図録としてつくられました。
佐藤武は1980年代前半より、荒涼とした大地に塔や遺構を配した無人の都市風景を描いています。
本展では、人物像や室内画を手掛けた初期作品をはじめ、作家の代名詞ともいえる、ある一瞬をとらえた都市風景や、上空を切り裂く一筋の線を中心に展開する最新作に至るまでを紹介し、画家の歩みを振り返ります。
また絵画のみならず、立体作品や写真、詩をあわせて展示することで、作家の制作に通底する世界観を提示し、多彩な創作活動を続ける作家の全貌に迫ります。
〔佐藤武(さとう・たけし)略歴〕
1947年北海道千歳市生まれ。独学で油彩画に着手して以来、北海道における具象絵画の分野を牽引し、常に高い評価を得ている。また若い頃より詩作にも熱心に取り組み、幅広い分野で才能を発揮している。
目次
ごあいさつ
「時空を彷徨い終わりを凝望するとき」佐藤武
「崩壊とポイエーシス-佐藤武の絵画世界」佐藤友哉(札幌芸術の森美術館 館長)
「佐藤武-終わりのかたち」坂本真惟(札幌芸術の森美術館 学芸員)
第1章 画家として
第2章 記憶の交点
第3章 終焉へのまなざし
第4章 追憶/未知の空へ
第5章 死を見つめて
第6章 不可視の彼方に
第7章 夜半の月 小品と版画
第8章 広がる世界 立体作品と写真
年譜
参考文献
出品リスト
著者紹介
札幌芸術の森美術館…1990年9月に「札幌芸術の森」内に開館した屋内美術館。
北海道、札幌ゆかりの作家の作品と国内外の近現代美術をコレクションの核とし、多彩な内容の特別展を行う。
「札幌芸術の森」は〈芸術文化都市さっぽろ〉のシンボルとして1986年7月にオープンし、1999年に整備完了。同美術館や野外美術館、工芸館などのほか、貸出機能を有する様々な工房を備える。野外ステージやアートホールでは、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)を開催するなど、将来を担う芸術家育成事業にも取り組んでいる。
上記内容は刊行当時のものです。