内容紹介
大正を生きた作家・有島武郎の没後100年に、童話作品を総ルビ化して文庫サイズに収めました。文章を新字体・現代仮名づかいに改め、漢字には全てふりがなをつけています。監修は北海道ニセコ・有島記念館。
収録作品は「一房の葡萄」「溺れかけた兄妹」「碁石を呑んだ八っちゃん」「僕の帽子のお話」「火事とポチ」の5編。
有島が、子どものまなざしで揺れ動く心を描き出しています。作家が子どもたちへの想いを込めたお話の世界をお楽しみください。
目次
一房の葡萄
溺れかけた兄妹
碁石を吞んだ八っちゃん
僕の帽子のお話
火事とポチ
解説のような…… 有島記念館 主任学芸員 伊藤大介
我々がたどり着いた場所 本郷弦
著者紹介
有島武郎(ありしま・たけお、1878-1923)…
1878年、東京生まれ。札幌農学校卒業。アメリカ留学を経て、東北帝国大学農科大学(札幌)で教鞭をとるほか、勤労青少年への教育など社会活動にも取り組む。この時期、雑誌『白樺』同人となり、小説や美術評論などを発表。
大学退職後、東京を拠点に執筆活動に専念。1917年、北海道ニセコを舞台とした小説『カインの末裔』が出世作となる。以降、『生れ出づる悩み』『或る女』などで大正期の文壇において人気作家となる。
1922年、現在のニセコに所有した農場を「相互扶助」の精神に基づき無償解放。1923年、軽井沢で自ら命を絶つ。
上記内容は刊行当時のものです。