内容紹介
「明日を失う酒もある」
身体や心ばかりではなく人生や社会に悪い酒もある。
北海道大学で2005年度から開講されている講義「社会問題としての飲酒」。飲酒の「負」の側面、つまり飲酒により生じる社会の中の諸問題について、集めてきた情報を自由に分かち合うこのクラスでは、開講以来、断酒会からのゲスト・スピーカーを迎えて来た。
飲酒ゆえの問題に苦しみ、克服の道程を歩む人々の言葉を、十二通の「手紙」としてお届けする。
目次
はじめに
1通め 夢でよかった
五島列島福江島からの手紙
2通め 「お酒のどれい」
中学生だった長男を支え続ける両親からの手紙
3通め 「もうお酒飲まなくていいんだ」
新しい人生を歩み始めた私への手紙
4通め 「もうお父さんはいらない」
家族の回復を見守るお母さんからの手紙(一)
5通め 「私はアルコール依存症にはならない」
家族の回復を見守るお母さんからの手紙(二)
6通め 今も一杯の酒を恐れる娘よ
琵琶湖の南のまちからの手紙
7通め 私のようにならないために
神話のまち、出雲からの手紙
8通め 酒に盗まれた人生のひととき
温泉のまち、大分・別府からの手紙
9通め 雪道に残る足跡
酒害を伝えるお父さんからの手紙
10通め 「パパが飲んでる時と同じ目」
酒害に向き合う東京の家族からの手紙(一)
11通め 「飲んでいるお父さんと一緒にいるのはいやだ」
酒害に向き合う東京の家族からの手紙(二)
12通め 「どこでもドア」を開けて
十五歳の頃の私への手紙
13通めの手紙(編者より)
感謝をこめて
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著者紹介
眞崎 睦子(まさき・むつこ)…北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院/教育学院准教授
栞(しおり)の研究をしています。
「栞って、読みかけの本にはさむ、あの?」
そうです。
もともとは「枝を折る」と書いて「枝折(しおり)」――昔、山中で道に迷った旅人が、後から山に入る人のためにと木の枝を折りかけて「道しるべ」としたものです。このように、無名の人々が、同じ問題を抱える人々にどのような情報提供を行ってきたかを眺めてきました(主著『渡米移民の教育―栞で読む日本人移民社会』大阪大学出版会 2003年)。
自助組織(自助グループ)、「断酒会」は、指導者や専門家がいない相互教育の場でもあります。断酒会に集う人々からの「手紙」が、あなたへの栞――道しるべの一つとなりますように。
上記内容は刊行当時のものです。