内容紹介
地域にとって建設業は、経済的な生産力や雇用を生み出す力であるだけではなく、日常の催事への協力から非常時の災害救助に至るまで、地域社会を支える役割の大きな産業でもある。
その土地に精通し、特性を最大限に活かして活動する建設業は、地域とともに将来があるという、共同体としての強い意識を持ち、地域の課題に向き合い、発展に必要な幅広い活動を行っている。
地域政策を主なフィールドとする研究者の立場から、現場へのヒアリングなどを通して見えてきた「地域産業としての建設業」の意義や役割、可能性を考察、提言する。
一体論で語られることの多い建設業を、「地域づくり」の視点で捉えた一冊。
目次
はじめに
第1章 建設業とは何か
第2章 地域経済を支える建設業
第3章 雇用力の大きい建設業
第4章 地域づくり産業
第5章 請負産業の特性
第6章 建設業のイメージと無駄な公共事業論
第7章 地域密着は建設業のDNA
第8章 人材問題の背景
第9章 公の役割を担う建設業
第10章 地域の自立戦略と建設業
第11章 人口減少時代を生き抜く
第12章 国土強靱化と地方の役割
第13章 老朽化する社会資本
あとがき
著者紹介
小磯修二(こいそ・しゅうじ)…北海道大学公共政策大学院特任教授。
1948年大阪市生まれ。京都大学法学部卒業。北海道開発庁(現国土交通省)等を経て、1999年に釧路公立大学教授、地域経済研究センター長。2008年同学長を務め、2012年から現職。専門は、地域開発政策、地域経済。実践的な地域課題解決を目指す研究活動に取り組み、これまで30以上の研究プロジェクトを組織。中央アジア等での経済協力活動にも従事。
著書に『地域自立の産業政策』(イマジン出版)、『戦後北海道開発の軌跡』(共著、財団法人北海道開発協会)、『地方が輝くために』(柏艪舎)、『コモンズ 地域の再生と創造』(共著、北海道大学出版会)など。
上記内容は刊行当時のものです。