内容紹介
「天売島応援プロジェクト」の現在地点
森の整備×馬搬集材×製材×建築×植栽=??
今すべきこと、できることを明確にし、達人たちと力を合わせることから、まずは始めよう。
――応援といいながら、一番楽しんでいるのは、わたしたちなのだけれどね。
かつて水不足に悩まされた北海道の離島で、人々の手により復活した「水源の森」。
その植林から約半世紀が経ち、過密に育った森に手を入れる時が来た。
森への負担を最小限に抑え、間伐材を島内で生かす達人たちのワザをご覧あれ!
目次
はじめに
第1章 天売島と焼尻島の現地調査
1.1 離島を応援したい
1.2 離島の魅力と島民の方々
1.3 離島の森の現地調査
1.4 離島の森林整備と木材の活用
1.5 焼尻島のサフォーク牧場
第2章 森と水の話
2.1 森の状態と水資源
2.2 離島の治山事業による森林整備
2.3 森林と水と人の関係
2.4 目的と手段を取り違えるな
第3章 せっかくなら良い仕事を楽しく!
3.1 楽しい仕事を増やしたい
3.2 信頼で繋がる組織
3.3 変化を乗り越え、進化するマネジメント
3.4 仕事のぜい肉減らしましょうキャンペーン
第4章 島と海と森の話
4.1 天売小学校の授業
4.2 グイマツを伐採しミズナラを植える
4.3 ウニとコンブ
4.4 天売高校の「天売学」授業
第5章 森を整備して間伐材を利用する
5.1 育成木と伐採木の選定
5.2 馬搬による集材
5.3 可搬式製材機による製材
5.4 達人たちの建築
5.5 排水処理の工夫
5.6 新聞記事と保健所
第6章 群伐の衝撃
6.1 風倒木処理と群伐
6.2 豊平川河畔林伐採の経験
6.3 伐採に関わる島民説明会
6.4 森という不思議な存在
第7章 天売島応援プロジェクトのさらなる展開
7.1 プロジェクト体制の再構築
7.2 シーカヤック艇庫の建築
7.3 無立木地の植栽
7.4 森の整備、馬搬集材、製材、建築、植栽の流れ
参考文献
おわりに
謝辞
著者紹介
吉井厚志(よしい・あつし)…みずみどり空間研究所主宰、農学博士。
株式会社ハタナカ昭和取締役副社長、萌州建設株式会社最高顧問・最高技術責任者。
1957年2月20日博多生まれ。札幌育ち。
1979年に北海道開発庁に採用され、2015年まで河川・砂防・海岸などの公共事業に関する業務や研究に携わる。1988年から1991年までESCAP/WMO台風委員会事務局(在マニラ)に派遣され、東アジアを巡り国際派を気取るようになった。また、通算10年間の研究所勤務の経験から、いっぱしの研究者を装うこともある。
著書に、北海道科学大学の岡村俊邦名誉教授との共著「緑の手づくり」(2015年、電子書籍)、「国土のゆとり」(2020年)、「海外好き公僕技官のビール紀行」(2021年)(いずれも中西出版)がある。
上記内容は刊行当時のものです。