内容紹介
1968年4月深夜、根室海峡は海霧に包まれていた。
暗闇の中、納沙布岬の霧笛を聞きながら日ソ“国境”を突破、国後島に向かう一隻の船があった……。
約半世紀前、ベトナム戦争への派兵を忌避した米兵たちが、米軍基地を脱走、日本を足場にソ連へと渡り欧州に逃れるという前代未聞の亡命事件が起こった。
当時の資料や証言から、日本人協力者たちの「亡命作戦」と暗闘する米ソ諜報機関の「戦場なき戦争」を再構築し、その真相に迫る。
旧南ベトナムの副大統領、グエン・カオ・キ氏の単独インタビューも収録。
目次
まえがき
第一章 密告者
第二章 作戦に手を貸したひとたち
第三章 闇の海峡を駆ける脱走兵
第四章 スパイ天国「ニッポン」
第五章 列島千三百キロの逃亡劇
第六章 摩周湖畔に消えた米スパイ
第七章 八丈島沖に消えたドン
第八章 グエン・カオ・キ元副大統領単独インタビュー
あとがき
参考・引用文献
著者紹介
関根忠三(せきね・ただみつ)…北海道出身。
1968年読売新聞社に入社。東京本社編集局地方部次長、金沢総局長、北海道支社編集部長を経て会社役員、フリージャーナリストとなる。32年間の新聞記者時代、死刑囚のえん罪「島田事件」やソ連(現ロシア)のサハリン上空で、ソ連の戦闘機によって撃墜され、乗員・乗客全員が死亡した「大韓航空機事件」、世界の航空史上最悪といわれた御巣鷹山の「日航ジャンボ機墜落事故」などを取材した。著書に「ポラリスを抱いて」などがある。
2012年10月17日心臓疾患により死去。
上記内容は刊行当時のものです。