内容紹介
2000年から2019年までの長きにわたって、北海道のSTVラジオで毎週放送されていた「ほっかいどう百年物語」の書籍化シリーズ特別編の下巻。
開拓期から今日まで、北の大地で繰り広げられた先人たちの人間ドラマを紹介する同番組から、「北海道命名150年」を記念し、第10集以降に放送されたうち、20の物語を収録した。
本書では、新渡戸稲造が私財を投じ創設した遠友夜学校、短歌でアイヌ民族の地位向上を詠った夭逝の歌人・違星北斗をはじめ、御用火事といった開拓初期の出来事から、ゆうばり映画祭や木内綾など現在に続く物語まで幅広く取り上げている。
※本書は、このたびの“北海道命名150年”を記念して、2010年から2017年にSTVラジオで放送された「ほっかいどう百年物語」の放送原稿に加筆・訂正を加え出版したものです。
目次
遠友夜学校物語…新渡戸稲造が私財を投じて創設した貧しい家庭の子供たちのための夜学校
違星北斗…短歌でアイヌ民族の地位向上を訴えた「アイヌ三大歌人」の一人
浦河・赤心社物語…北海道開拓事業の中で唯一の成功例といわれる赤心社の苦難の物語
杉崎郡作…北海道の民生事業の先駆者
林豊洲…「十勝毎日新聞」の創業者で観光開発に尽力
悲劇の軍艦・開陽丸…時代の波に翻弄された「最強の軍艦」の誕生から終焉までの物語
升川ツネ…多くの赤ん坊を取り上げ地域住民に信頼された充実の産婆人生
ゆうばり映画祭物語…中止に追い込まれた映画祭は関係者たちの涙と苦悩を経て復活
中山大五郎…札幌狸小路商店街を束ね札幌中心街の商店に活気をもたらした生粋の商人
須川長之助…ロシア人植物学者に協力し植物採集をする中「チョウノスケソウ」を発見
岡部卓司…北海道を代表する菓子店「札幌千秋庵」。親子二人三脚の経営奮闘記
開拓使官有物払下げ事件…民間への払い下げ条件が不信を招き「明治14年の政変」へと発展
木内綾…「優佳良織」を創出し国際的な美術工芸品にまで育てあげた
滝止士…知的障害児への社会の偏見や足踏み状態の行政と果敢に闘った教師
三毛別熊事件…一頭のヒグマに襲われ死傷者10名を出した日本史上最悪の獣害事件
林竹治郎…「第1回文展」で北海道からただ一人入選。教師として多くの後進を育てた
中川清兵衛…ドイツで学んだ日本初の国産ビール醸造技師
札幌御用火事事件簿…新しい街づくりのため開拓判官が住宅を放火するという前代未聞の出来事
大井上輝前…キリスト教や野球を取り入れ監獄改良に尽力した典獄(刑務所長)
さっぽろ雪まつり物語…敗戦間もない時期に試験的に実施した祭りの成長のドラマ
著者紹介
[STVラジオ ほっかいどう百年物語 制作スタッフ]
構成作家…佐々木信恵/プロデューサー…上林史明
ディレクター…福島美香/監修…阿部ユポ/ナビゲーター…内山佳子(STVアナウンサー)
声の出演…三上勝由、くどうみき、岡田雅夫、中野英一、工藤準基
協力…ナレーターズユニット・ビーブレス
上記内容は刊行当時のものです。