杉山 四郎 著
定価:¥1,200+税
ISBN978-4-89115-374-8  C0021
四六判/282頁/並製
[2020年2月刊行]

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概 要

“北海道の名づけ親”松浦武四郎。
幕末に活躍したこの探検家は、6度にわたり蝦夷地の探査を行い、当時の実情を今に伝える詳細な記録を残した。

その道程を追うように建てられた碑を求め、北海道各地とサハリンへ赴き、碑や碑文全文を記録。
後世の人々が碑に刻んだ松浦武四郎の旅には、調査を支えたアイヌ民族の人々の姿があった。

2003年刊行の初版を、松浦武四郎碑に焦点を合わせスリム化、補筆・訂正した[新版]出版から3年。
北海道命名150年を契機に建てられた、新たな碑の記録などを加筆した[増訂]最新版。

目 次

はじめに

序章 三〇を越える武四郎碑

第一章 七つの碑をもつ空知地方
 北村[現・岩見沢市]/砂川市/芦別市/新十津川町/長沼町

第二章 北海道各地の碑を訪ねる
 厚真町/釧路市/上富良野町/仁木町/下川町/士別市
 平取町/京極町/江差町/千歳市/浜中町/音更町
 清水町/新得町/天塩町/音威子府村/美深町/小平町
 留萌市/増毛町/倶知安町/(ニセコ町)/神恵内村
 雨竜町/大成町/八雲町/中札内村/富良野市/北見市
 女満別町[現・大空町]/美幌町/斜里町/羅臼町/弟子屈町
 阿寒町[現・釧路市]/中川町/音威子府村/名寄市/士別市
 中川町・音威子府村・名寄市・中川町/浦臼町/北見市
 弟子屈町/(音威子府村)/静内町[現・新ひだか町]/(音威子府村)
 猿払村/稚内市/白老町/由仁町/恵庭市/芦別市
 (札幌市)/留寿都村/浜頓別町/中川町

第三章 サハリンの碑を訪ねる

第四章 碑以外の「碑」
 洞爺村[現・洞爺湖町]/上川町/厚真町/仁木町/砂川市/釧路市
 (福島町)/音威子府村/生田原町[現・遠軽町]

第五章 碑・「碑」の分析
 分布図/建立年代/探検路と碑の建立/分類

終章 アイヌ民族の功績を称(たた)える
 記さ(刻ま)れたアイヌ民族の行動・人名/武四郎が記録したアイヌ民族
 民族の復権をめざして

あとがき

本文より

はじめに
 二〇一七年二月八日(水)付の北海道新聞朝刊を読んでいて、ある記事に目が止まった。「「道みんの日」盛大/7・17行事の全容判明」の見出しで、冒頭次のように書かれていた。

道議会が今年制定する7月17日の「北海道みんなの日」を巡り、道が検討している記念行事の全容が分かった。…

 そして最後の段落の冒頭は次のとおりである。

7月17日は、幕末の探検家・松浦武四郎が1869年(明治2年)に「北加伊道」の名称を提案した日付。…

 「7・17」は「松浦武四郎が…「北加伊道」の名称を提案した」日という。
 三ヵ月後の同新聞夕刊(五月二二日付・月)に、「「北海道150年」どこへ/アイヌ史軽視批判も」の見出しで、記事が載った。その中で「北海道150年事業で想定される主なイベント」の一つに「北海道博物館での松浦武四郎に関する特別展」が催されるという。
 これらの記事からして、〈“松浦武四郎ブーム”が起こり、武四郎碑の建立があるかも知れない〉と思い始めた。
 ここに収録した自治体は、白老町・由仁町・恵庭市・芦別市・(札幌市)・留寿都村・浜頓別町(二碑)・中川町の二市四町一村で、このうち碑に「北海道一五〇年」と刻んだのは、恵庭市・芦別市である。
 また、文章を付け加えたところが一ヵ所ある(中札内村)。

 私もささやかな体験をした。中西出版社が拙著『新版』を刊行した四ヵ月後、札幌市の大手書店のインナーガーデンで講演会を開くと宣伝したところ、補助椅子を出しても足りないほど人が集まった(ただし入場無料)。担当者に伺うと、集まった人数はわからない、という。私はビックリし、脚の震えが止まらなかったのである。

プロフィール

杉山四郎(すぎやま・しろう)
1947(昭和22)年、小樽市の生まれ。
1972(昭和47)年、北海道教育大学札幌分校を卒業。道立高校5校で36年間教鞭を執り、この間、芦別市・歌志内市・岩見沢市・苫小牧市に居住。現在は岩見沢市に在住し、札幌学院大学に勤務。岩見沢市で「アイヌ語教室」開設。
岩見沢九条の会会員。
著書に『武四郎碑に刻まれたアイヌ民族』・『新版アイヌ民族の碑を訪ねて』(いずれも、アイヌ文化振興・研究推進機構助成)、『空知・アイヌ民族の足跡』(正・続)・『眼で見るアイヌ民族の足跡』・『あるカッケマッのこと』・『南空知の人々』(いずれも自費出版)、『アイヌモシリ・北海道の民衆史』(正・続、中西出版)、『ソーラプチ・アイヌウタラルウェ』(空知・アイヌ民族(の)足跡、自費出版)など。

上記内容は本書刊行時のものです。