石井 一弘 写真・文
定価:¥1,200+税
ISBN978-4-89115-369-4  C0072
四六判/128頁(並製)
[2019年9月刊行]

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概 要

三浦綾子の作品の一節と舞台となった風景の写真を
コラボレーションした前作『小さなロバ』から10年。

作品の舞台を追う写真家の“聖地巡礼”の旅の続きを、
三浦綾子没後20年を期して著者の写真と筆から構成する。

          

石井さんの仕事を見ると、写真というものの力を感じる。
時間と共に風化し、消えてしまう物を写真に収めてくれ、
想像でしか理解できていなかったものを見えるものにしてくれる。
――森下 辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員・全国三浦綾子読書会代表)

目 次

魂のつぶやきを聴く  轡田 隆史

氷点
病めるときも
裁きの家
この土の器をも
続 氷点
天北原野
逃亡
短編集・毒麦の季
尾灯
貝殻
毒麦の季
果て遠き丘
岩に立つ
千利休とその妻たち
青い棘
水なき雲
北国日記
ナナカマドの街から
嵐吹く時も
草のうた
雪のアルバム
夕あり朝あり
われ弱ければ
あのポプラの上が空

ちいろば先生物語
銃口
したきりすずめのクリスマス(絵本)

「小さなロバ」より抜粋
“不純な動機の人”  森下 辰衛
あとがき

本文より

あとがき

 
 十年前、三浦綾子没後十年で『小さなロバ』を出版し、あっという間に、また十年が経ってしまった。その間に夫光世さんも天に召された。でも、三浦綾子の作品は世に生き続け、なお多くの読者に感銘を与えている。二〇一三年、北海道総合研究調査会が発行する雑誌「しゃりばり」の裏表紙で、当時の編集長・大沼芳徳さんから連載する機会を与えられた。『小さなロバ』は三浦綾子の作品の文章そのものの抜粋と私の写真で構成したが、この連載では私の文章で書いた。慣れない文章で、編集者の濱市淑恵さん、柳本学恵さんには、多大なお世話をかけた。連載が五十回を数え、三浦綾子没後二十年を期し『愛のまなざし』のタイトルで一冊にまとめた。
 自分で書くのは難しかったけれど、三浦綾子の作品の中に私が朝日新聞のカメラマンとして現役時代に経験したことや行ったことがある場所など、いろいろ重なる部分があった。例えば、利尻島の夕焼けは本を読む前に撮っていたしアイヌ墓地も取材していた。三浦夫妻が網走で泊まった宿に私たち夫婦も新婚旅行で泊まっていた。そういった諸々を、文章にしていく面白さに気づかされもした。
 巻頭の言葉は「しゃりばり」でコラムを担当している朝日新聞時代の先輩で、私が尊敬する轡田隆史さん、解説は『小さなロバ』の時と同じ、三浦綾子記念文学館特別研究員で全国三浦綾子読書会代表の森下辰衛さんに書いていただいた。
 中国東北部やサハリンの取材の機会を作っていただいた読書会前代表で顧問の長谷川与志充さん、旅に同行していただいた全国の読書会の皆さんに感謝します。また、中西出版の林下英二社長、河西博嗣さん、十年の間に二児の母となり『小さなロバ』に引き続いて、編集をして下さった青柳早苗さんに敬意を表します。
 そして、取材では撮影助手やナビゲーターとして、文章では第一読者として応援してくれた妻・美雪と、東京で健気に頑張る娘・千花にこの冊子を捧げます。
  二〇一九年八月吉日

石井 一弘

プロフィール

石井一弘(いしい・かずひろ)
1941年3月東京生まれ。
1964年日大芸術学部写真学科卒業、同年朝日新聞東京本社写真部入社。1991年5月から北海道支社報道部写真係、1996年から報道部員。2001年3月定年退職。以後も札幌市内に住みフリーの写真家として活動している。
2000年3月、学生時代からのライフワークである北方領土と対峙する根室半島一帯の昆布漁民の生活を撮った写真集『納沙布』を自費出版してその写真展を開催。2009年、三浦綾子没後10年を期して『小さなロバ』を中西出版から出版し、写真展も開催した。

上記内容は本書刊行時のものです。