りんご侍と呼ばれた開拓者森山 祐吾 著
定価:¥1,500+税
ISBN978-4-89115-344-1  C0021
四六判/277頁(並製)
[2018年3月刊行]

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概 要

戊辰戦争に敗れ賊軍として北海道余市に移住させられた旧会津藩士たちは、苦難の末に「りんご王国」を築き上げた。
彼らの再生を描いた表題作をはじめ、北海道を舞台にした4つの短編秘話を収録。

〈「北海道ノンフィクション賞」受賞作品集〉(受賞順)
サンゴ礁の落日 …太平洋戦争秘話(第30回佳作)
版画に祈りを込めた男 …木版画家・阿部貞夫(第31回佳作)
至誠に生きた男 …実業家・新田長次郎(第32回準大賞)
りんご侍と呼ばれた開拓者 …旧会津藩士の軌跡(第33回大賞)

目 次

はじめに
りんご侍と呼ばれた開拓者 ~汚名を返上した旧会津藩士の軌跡
至誠に生きた男 ~実業家新田長次郎の生涯
サンゴ礁の落日 ~太平洋戦争秘話
版画に祈りを込めた男 ~木版画家・阿部貞夫の生涯
発刊に寄せて

本文より

はじめに

 本書を手に取って頂き、ありがとうございます。私事ながら、この作品集を出版したいきさつを申し述べます。
 65歳で定年を迎える頃、この先の人生を「北海道の歴史」を学び直すか、「通訳案内士の資格取得」に挑戦するかの目標を立てました。ところが退職直後にがんが見つかり、術後5年先の生存率54パーセントという医者の宣告に、頭が真っ白になりました。幸い療養の経過も良く、一命を取り留め退院できました。
 しかし再発を恐れ、しばらくどの目標へも踏み出せないでいたその頃、偶然に出会ったのが、ノンフィクション作家合田一道先生です。師の歴史教室では、史実の捉え方と文章化を徹底的に教えられ、初めの頃はわずかA4紙3枚の小品でさえ、ほとんどが赤ペンに染まるほどでした。やがて歴史の奥深さ、楽しさにのめり込むうちに、再発の不安はどこかへ飛んでいってしまいました。
 数年後、師は「北海道ノンフィクション賞」に挑戦してみてはと、尻込みする私を後押しして下さいました。しかし筆力不足を痛感し、途中で投げ出したくなりましたが、めげずに応募したところ、70歳で初入賞。続けて3年連続で入賞を果たすことができ、望外の喜びに小躍りしました。
 人は一期一会の縁により、人生が変わるともいわれます。私は師との出会いによって新しい目標に進むことができ、お陰様でいま充実した日々を過ごすことができることに、心からの感謝を捧げるものであります。
 昨年、喜寿を迎えたのを機に、家族から「記念誌」出版の勧めもあり、初期に書き上げた入賞4作品を1冊にまとめたものが本書です。この先も本書のように埋もれた北海道史を掘り起こし、微力ながら執筆や講演を通して、広く語り伝えて参りたいと思っておりますので、どうぞご鞭撻下さいますようお願い申し上げます。
 なお、初出版に際し、中西出版(株)河西取締役から何かとご助言を頂きました。厚くお礼申し上げます。
  平成30年1月3日
森山祐吾

プロフィール

森山祐吾(もりやま・ゆうご)
北海道史研究家・ノンフィクション作家。
1940年北海道オホーツク管内雄武町生まれ。中央大学卒。民間会社定年後、北海道史の研究を進める中で、時代に翻弄されながらも強い信念をもって生き抜いた人々や、意外な史実が多いことに気づく。以来、これら埋もれた歴史に光を当て、私塾「北の歴史塾」の講座や各所の講演を通して語り伝えている。
主な作品に「海の総合商社・北前船」「宗谷海峡を渡った侍たち」「北の大地を開いた薩摩人」「幕末の通詞・森山栄之助の活躍」「北海道占領をめぐる米ソの暗躍」「石川啄木の北海道時代」などがあるが、いずれも未刊行。

上記内容は本書刊行時のものです。