名称未設定-3山口 千穂子 著
定価:¥1,400+税
ISBN978-4-89115-324-3  C0095
AA5/175頁/並製
[2016年7月刊行]

order-1新・金融経済と証券投資

概 要

従来の十二経絡と任脈・督脈・帯脈を足裏とふくらはぎからさぐりあて、手漉きの和紙で施術する治療法を確立した筆者。
そのプロセスと、治療院での施術の日々を穏やかな筆致で綴ったドキュメンタリー風エッセイ。

目 次

ようこそ菜の花治療院へ ―プロローグ―

和紙灸
灸と和紙
美しい人 ―パーキンソン症の話―
闇夜の辻斬りと村娘 ―腰腸肋筋の痛み―
紅の豚の鼻 ―鼻づまり その一―
紅の豚の鼻と猫アレルギー ―鼻づまり その二―
函館本線、夢ん中 ―手の六経ライン ふくらはぎ編―
委中と栗羊羹 ―腰痛治療―
借金がないのに ―首回り―
点と線 ―肩こりと張り―
エステティックサロン”菜の花”にようこそ ―顔マヒとしびれの人の話―
お顔はおてんとう様に ―めまいの人の話―
とりの手羽先とソックス ―ひざ痛の人の話 王妃と姫と侍従の関係―
つぶらな瞳 ―目の治療穴の一つ おめめ その一―
おはよう!! ―おめめ その二―
不思議な人 ―任脈ライン―
ダンディーなゴルファー ―腰痛治療の一つ―
天使と臀部 ―臀部と仙骨の治療法―
ベコニアの花と百会 ―督脈ラインの話 その一―
かさじぞう ―督脈ラインの話 その二―
奇経治療 ―耳回りの治療、その他腰痛治療の話―
尿管結石? ―生理痛の話―
同名経絡とその治療 ―全身治療―
大地(痔)主様へ ―痔の治療―
横承扶エリア ―首・肩こりの治療―
脛骨両サイドの任脈・督脈と足の陽経治療 ―進化した足裏とふくらはぎでの施術法―
その他の治療部とライン ―肩周辺・咳・耳―
野菊の庭 ―エピローグ―

十二経脈の病証

本文より

【エピローグ】野菊の庭─────九月の昼下がり

仕事の合間を縫って、ツッカケのまま庭に出てみました。
 何時もは煩わしいと思うキンミズやミズヒキの種が、服の袖、ズボンにしっかりとまとわり付いてきます。それすら〈いいよ、いいよ。今日はいっぱいお付きよ―〉と、そのザラ付いた感触まで快く思いました。
 オオケダケの花の先にトンボ!!
 〈あ~あ、今年初めて見るトンボ〉と、羽根を伏せているトンボを見やりました。
 とこまでも広がっている秋の空と目の前のトンボに焦点が合いにくく、軽いめまいを感じました。
 それは、何一つとして治療技術を持ち得ていなかった私が、謎に満ちた身体の秘密の扉の、その中の小さな鍵穴の一つ一つを、畏れを抱きつつ、ためらいながらも、さらにその奥を見ないではいられない、という“揺らぎ”の中にいる感覚に似ていました。
 と、一瞬のうちに、トンボは、透き通ったリンドウ色の空に、スルリと吸い込まれていき、庭の隅のエゾノコンギクは、九月の昼下がりの陽射しの中で、ひとしお輝いていました。
 庭はいつものように静かでした。そしてまた、私は治療室に向かいました。

 少々面倒と思われるこの和紙灸が治療方法の一つとして加えられ、少しでもお役に立つことができましたら、こんなに嬉しい事はありません。(山口 千穂子)

プロフィール

山口千穂子(やまぐち・ちほこ)
昭和16年8月12日深川市で生まれる。
同27年、藤女子短期大学家政科食物学科卒業。
内科医と結婚、二女三男に恵まれる。男子は全員医師。
平成13年、青葉鍼灸専門学校入学、同16年卒業。
小樽市内にて「菜の花治療院」を開院。現在に至る。

上記内容は本書刊行時のものです。