基礎から学ぶスポーツ心理学 改訂版蓑内 豊、竹田 唯史、吉田 聡美 著
定価:¥2,000+税
ISBN978-4-89115-318-2  C3075
B5/185頁/並製
[2016年4月刊行]

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概 要

スポーツ心理学は、スポーツの技術習得や成績向上、スポーツを楽しむことを促すための心理的アプローチである。この中には、近年広く普及したメンタルトレーニングも含まれる。

本書は、このスポーツ心理学を基本から学んでみたいと思っている人を対象とし、学ぶ上で必要な科学的理論や情報を網羅。スポーツ選手やコーチが実際の場面で使うことを想定し、実用的な内容は省かず、利用しやすさに重点を置いた。
スポーツ選手などが本書を読みながら自分でメンタルトレーニングが実践できるよう、自分で行うワークシートの資料やグラフも数多く取り入れている。

好評を博した2012年発売の[新版]以来、4年ぶりの改訂となる[改訂版]。
最新の情報を取り入れコラム欄を増やすなど、さらなる内容充実が図られている。

目 次

第1章 スポーツ心理学とは
1.スポーツ心理学の定義
2.スポーツ心理学の歴史
3.メンタルトレーニングとは

第2章 自己分析
1.自己分析の方法
2.心理検査の種類
3.心理検査の実施にあたって

第3章 動機づけ
1.動機づけとは
2.動機づけ理論の紹介
3.動機づけを高める方法(やる気を高める方法)
4.運動継続の動機と問題

第4章 目標設定
1.目標設定の意義
2.目標設定の方法

第5章 リラクセーションとサイキングアップ
1.人間生活における緊張と弛緩
2.覚醒水準とパフォーマンス(逆U字仮説)
3.あがり
4.リラクセーションの方法
5.サイキングアップの方法
6.サイキアウト

第6章 集中力
1.集中力とは
2.集中の範囲
3.自発的注意と意思的注意
4.集中力の3つの要素
5.注意集中のタイプ
6.室内でできる集中力トレーニングの基礎技法
7.競技場面で活用する集中力の応用技法
8.注意が乱される要因
9.注意が乱されたときの対処法

第7章 イメージトレーニング
1.イメージとは
2.イメージの働き
3.イメージトレーニングとは
4.イメージの能力
5.イメージの種類
6.映像を活用してイメージを高める方法
7.イメージトレーニングを実施するときの手順
8.イメージトレーニングを競技場面で利用する方法

第8章 ポジティブシンキング・自信・セルフトーク
1.ポジティブシンキング
2.ポジティブシンキングのトレーニング
3.自信
4.セルフトーク

第9章 こころのコンディショニング
1.心理的コンディショニングの必要性
2.よい状態とは(ピークパフォーマンス状態)
3.自分のこころと身体の状態の把握(モニタリングの方法)
4.よい状態を作り出す(コンディショニング)

第10章 チームワークとチームビルディング
1.チームとは
2.チーム形成のプロセス
3.チームワークとは
4.チームワークを高めるためには
5.チームワークを高めるためのチームミーティング
6.チームビルディング
7.チームビルディングの実際

第11章 リーダーシップ
1.リーダーとリーダーシップ
2.リーダーシップのスタイルと集団の特性(PM理論)
3.チームの統率

第12章 コーチングの心理学
1.コーチングの必要性
2.コーチングとは
3.コーチの条件
4.スポーツ指導現場で求められるコーチングスキル
5.コーチングの評価と改善

第13章 効果的なスポーツスキルの習得方法
1.運動学習とは
2.スポーツスキル
3.スポーツスキルの習得段階
4.効果的な練習方法
5.フィードバックとは
6.運動学習理論

第14章 メンタルサポートの実際
1.講習会形式のメンタルサポート
2.カウンセリング形式のメンタルサポート
3.帯同形式のメンタルサポート

第15章 運動・スポーツとこころの健康(健康運動心理学)
1.運動・スポーツとストレス対処
2.運動・スポーツの心理的効用
3.運動・スポーツのプロモーション
4.運動・スポーツとライフスキルの獲得
5.運動・スポーツと自己概念・自尊感情の発達

スポーツ心理学キーワード
参考文献一覧

本文より

まえがき

 本書は,スポーツ心理学について,基本から学んでみたいと思っている人を対象として書かれたものです。そのため,この本を作成するにあたり著者同士で話し合い,この本の方向性を決めました。それは,スポーツ心理学の科学的理論に基づきながらも,実際のスポーツ指導場面で使いやすいものにすることでした。具体的には,本書を読みながら自分でメンタルトレーニングが実践できるようにすること,自分で行うワークシートの資料やグラフを数多く取り入れることです。スポーツ心理学を学ぶ上で必要な理論や情報を網羅しつつ,実用的な内容は省かないようにしました。
 内容としては,スポーツ心理学を勉強しようとする人だけではなく,スポーツ現場でよい成績を出したいと思っているスポーツ選手や,その選手たちを指導するコーチにも活用できるものになっています。スポーツ選手として本書を活用する人は,主に第4章~第10章と第14章が役立つでしょう。これらの章を読んで自分で実践してみてください。ときには,本書を参考にしながら自分なりの工夫をすることで,より効果的なメンタルトレーニングになるはずです。スポーツ指導者として本書を活用する人には,前述の他に,第3章,第11章~第13章も読んでいただきたいと思います。これらの章では,スポーツ指導者として活動する上で非常に役立つ内容が数多く含まれています。また,スポーツ指導者に関する資格取得にも大事な内容になっています。
 第15章では,健康運動心理学の分野をカバーする内容になっています。運動やスポーツを行うことが,こころの健康や安寧にどのように関係しているのかといったことを扱っています。これも広い意味でのスポーツ心理学に含まれます。
 この本は基本的にはスポーツ現場で役立てるという視点から書かれています。しかし,これをちょっと違った視点からとらえてみると,スポーツ以外の分野での活動にも役立ちます。たとえば,ピアノなどの楽器演奏,人前でのスピーチ,受験勉強などです。自分なりに工夫をすることで,日常生活や人生設計などにも貢献するものと思っています。本書を通して,一人でも多くの人がスポーツ心理学の恩恵を受けることを願っています。
 「改定版 基礎から学ぶスポーツ心理学」は,これまでの新版と同じ章立てになっていますが,最新の情報を取り入れ,コラム欄を増やすなど内容については充実を図っています。これまで以上に活用していただければと願っています。
 最後になりましたが,本書の出版・改訂にあたり大変お世話になりました中西出版の河西博嗣氏に厚くお礼申し上げます。
   2016年3月

執筆者を代表して  蓑内 豊

プロフィール

蓑内 豊(みのうち・ゆたか)…北星学園大学 文学部 教授
竹田 唯史(たけだ・ただし)…北翔大学 生涯スポーツ学部 教授
吉田 聡美(よしだ・さとみ)…コンディショニング・ラボ 代表

上記内容は本書刊行時のものです。