9784891153236上北 貴久 著
定価:¥1,600+税
ISBN978-4-89115-323-6  C0033
四六判/250頁/並製
[2016年3月刊行]

order-1order-3

 

◆コラム「上北貴久の市場分析」は こちら から

目 次

はじめに

第1章 3段上げを終えた株式相場

エリオット波動で次の暴落を予測する

第2章 1980年代後半のバブル

第3章 ITバブル

アメリカのITバブル
日本のITバブル

第4章 2000年代半ばのバブル

第5章 現在のバブル

アメリカイベントを成功させるため緊密に動く日・米・欧
利上げを先延ばしにしたFRB
選挙対策に利用された年金資金
新しい経済学とニューエコノミー論
誰も止める者がいない
株価が下がったと大騒ぎするマスコミ

第6章 自由主義経済を否定するアベノミクス

リーマンショックが生んだ国家統制経済
積極財政も緊縮財政もない
2位じゃだめなんですか
景気拡大期で積極財政に打って出る安倍政治
国際会議の場から財政健全化の文字が消えた
物価統制
賃金統制
自由主義・資本主義経済の後退
市場経済から官民一体経済へ
コーポラティズム(政治と企業の癒着主義)
誰のための政治か
日常生活にまで入り込む国の統制
国民は管理されたいのか

第7章 バブルを起こした政府・中央銀行の責任

アベノミクスはうまくいっていない
アベノミクス景気に取り残された人々
危機に瀕する公的年金
取り残される公的資金
高橋是清と重なる黒田晴彦の運命
バブルに深く関わった者の末路―責任の取り方

第8章 アメリカ資本主義の終焉

中国のバブルを呼び込んだアメリカの強欲
中国発の株暴落はバブル崩壊のきっかけに過ぎない
イエレンが再び緩和に向かう時
戦争と天災の可能性

おわりに

本文より

はじめに
 2009年3月から始まった世界的株高も、まもなく7年になる。巷ではアベノミクス第2幕だとか新章だとか、これからもまだ相場が続くようなことを言っている。
 はたしてそうだろうか。残念ながら私は、日経平均は2015年6月24日20868円、TOPIX(東証株価指数)は同年8月10日1691で天井を打ったと考えている。
 本書は、近年起こった3回のバブルの崩壊過程をチャートに沿って書き記したものである。そして近い将来、4回目のバブル崩壊が起こることを予告している。
(中略)
 今までのバブルというのは皆、投資家、企業経営者、銀行、証券会社などの民間側が起こしているバブルである。それに対して今回のバブルは、政府、中央銀行が人為的に起こしているバブルなのだ。これは非常に危険なことである。
 民間が危機に瀕した時、助けに出るのは国の役目である。だから、今までのバブル崩壊時には、国がいろいろな対策に打って出て、クッションの役目を果たしたのである(これをソフトランディングという)。
 しかし、今回バブルが崩壊すると真っ先に痛みを受けるのは、年金資金であり、郵貯であり、日銀のバランスシートであり、国の財政である。誰が国の損失を負担するというのか。国の後ろには誰も控えてはいないのである。
 市場の暴落は、流動性の規模が一定量に保たれていれば、政府の介入が効くかもしれないが、マネーを膨張するだけ膨張した状態ではもはや手に負えない存在である。結局、量的緩和政策の効果が災いとなってはね返ってくるのである。
 今、世界の支配者層、政策立案者達は、あらゆる限りの力を使って景気(株価)を持ち上げることに必死である。しかし、やがて万策尽き、ほうほうの体で逃げ出すことになるだろう。逃してなるものか。国民のお金を使ってバブルを起こした責任は取ってもらわねばなるまい。

プロフィール

上北 貴久(かみきた たかひさ)
1960年北海道生まれ。
北海道大学経済学部卒業。元銀行員。元投資信託ファンドマネージャー。
前作に「失われた自由市場」(共同文化社)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。