北岡 けんいち 著
定価:¥1,400+税
ISBN4-89115-135-8 C3037
A5判/176頁/並製
[2005年3月刊行]
【電子書籍版は下記書店から】 希望販売価格:¥476+税
概 要
「ケアマネ受験に負けないくらい長くて辛い毎日がありますよね。自由に気持ちを吐きだし、ストレスを蹴散らす事が出来る「日記」のおかげで僕はこれまでブルーな気分にならずに生きてきました。」(「はじめに」より)
目 次
はじめに:ケアマネジャー試験を受ける介護員さんへ
第1週 合格だけが目標?
Episode1 老いを介護する若者達[待ちわびた春]
第2週 ケアマネ学習、成功の秘訣
Episode2 老いを介護する若者達[待ちわびた春]
第3週 ケアマネ受験と「人生の旬」
Episode3 老いを介護する若者達[待ちわびた春]
第4週 思いがけず合格する人
Episode4 老いを介護する若者達[消えゆく春]
第5週 受験勉強中の表現態度
Episode5 老いを介護する若者達[消えゆく春]
第6週 勤勉さを取り戻す
Episode6 老いを介護する若者達[消えゆく春]
第7週 ケアマネ講習会
Episode7 老いを介護する若者達[過ぎ去った夏]
第8週 とても辛い思いをしている時
Episode8 老いを介護する若者達[過ぎ去った夏]
第9週 ケアマネ資格への対価
Episode9 老いを介護する若者達[萌える秋]
第10週 決意がすべて
Episode10 老いを介護する若者達[萌える秋]
第11週 3度目のケアマネ受験
Episode11 老いを介護する若者達[萌える秋]
第12週 1週遅れの受験生
Episode12 老いを介護する若者達[雪舞う冬]
第13週 上には上がある
Episode13 老いを介護する若者達[雪舞う冬]
第14週 ケアマネ受験とリアリズム
Episode14 老いを介護する若者達[雪舞う冬]
第15週 『遠くまで行くんだ』に相応しい人
Episode15 老いを介護する若者達[雪舞う冬]
おわりに
本文より
第1日目
ケアマネ受験の目標を合格だけにする、
ちっぽけな考えはやめる。
ケアマネ受験を決意した、親愛なる皆さん。第1日目を迎え、多分に自分を鞭打つ位の心境でおられるのでしょう。皮肉にもそんな決意の固いあなたに言いたいのです。社会人学習や資格受験は、そこまでやらなくてもいいのじゃありませんか。何より大事なのは、毎日続けるあなたの本来の仕事~介護業務です。また大事にしたいのは、家族と職場仲間そして長年の友達や住んでいる地域社会です。それを差し置いて、受験勉強のみに走るなんてやめにしましょう。
これは結果~合格を、我々グループの『目標のすべて』にはしないという宣言です。あくまで、受験に至る過程が大切です。介護業務の助けになる勉強を、ケアマネ受験勉強で代替する。この考えが、ケアマネ受験生の最も大事にしたい雰囲気と思っています。
Episode1 老いを介護する若者達[待ちわびた春]
果たされた約束
真っ赤な長い靴下をはき、スカートは、勿論パンチラ超ミニで君は面接場へ来た。もしかして間違って応募したのかな? 3人の面接官は、皆戸惑った。決定! 面接開始直後に、もう結論は出た。無論、君は不採用さ。
『お婆ちゃんが、この病院で亡くなった。先生を、やさしい人だって言っていたよ。大好きなお婆ちゃんが、入院していたここで働きたい』。
君は見た事、触った事、感じた事をすべて事実から離れたことは話さない。飾りも一切ない。面接官のうち僕一人にかろうじて、引っかかった。
「じゃあ3ヵ月間、辛抱して働くと、約束できますか」僕の態度が豹変したので、ほかの2人の面接官があっけに取られた。
が、なんとその後、5年間も介護員として勤務し、あの約束はとうに果たされてしまった。ずぼら振りを、隠そうとしない女子高校生体質は、今も変わらないけど。率直であるとの仲間の定評は、強く生きている。
強引に採用を、僕が決めたのだよね。僕は普段、人を見る目がないって皆に言われてきたけれど本当は目利きだったのかな。でもあなたの採用事件以来、面接はしんどい仕事と分かって採用業務に、僕は一切口出しをやめました。
………… (本文より)
プロフィール
北岡 けんいち(きたおか けんいち)
1946年、北海道小樽市生まれ。1971年、北海道大学医学部卒業。老人保健施設ラポール東小樽勤務中。
上記内容は本書刊行時のものです。