9784891151393 脇 とよ・北代 祐二 著
定価:¥1,800+税
ISBN978-4-89115-139-3  C0095
四六判/グラビア16頁・本文280頁/並製
[2005年5月刊行]

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概 要

明治、砂金に夢を託した男たちの物語。
明治、大正から昭和にかけて北海道の砂金掘り師として名高かった、渡辺良作の一代記「砂金掘り物語」。現代に砂金掘りを嗜む者にとっての座右の教書。
平成砂金掘りの実践をここに紹介。技は生きている。
北海道には、まだまだ砂金がある。自然に包まれた美しい川で砂金掘りを楽しむ情報が満載。その魅力と掘り方を詳しく平成の砂金掘りが語る。

目 次

sakin-01砂金掘り物語 ●目 次

なぜ砂金掘りになったか
革緒の草履
肱折温泉で心の泉をみつける
年期奉公と闘う
早く砂金掘りになりたい
軽井沢銀山のトロッコ押し
炉辺の話題は砂金で万才
雨宮敬次郎北海道砂金採取団員となる
国縫からトシベツ川へ
まず拝み小屋をたてる
採取道具とその使いかた
カッチャの使いかた
ねこがけ共同掘りのしかた
沢の砂金は生きている
米を運ぶのが仕事のひとつ
砂金掘りのあしあと
駄鞍馬の行列は鈴の音させて
新冠川のアイヌ人と砂金
判官館のタブ蔵爺さん
掘り放題の砂金とは
野草を食って
義経神社のアイヌ人ペンリューク
アイヌ人の戸じまり
ひかる玉を探して「トナシベツ」へ
またまた米のために苦労する
美しい自然をけがす人びと
榎本武揚と砂金
あとがき

sakin-02平成の砂金掘り●目 次
一 砂金掘りの楽しみ
二 情報・場所
三 道具とその使い方
四 掘り方
五 板採り、揺り板の使い方
六 浜砂金
七 日記より
八 揺り板をつくる
用語集
協力・御礼

本文より

一 砂金掘りの楽しみ

 砂金掘りが趣味と言うと、砂金に馴染みの薄い人は身近で採れる事を知り驚いた後十中八九、儲けますか?とか、採った金はどこに売るの?などと聞いてきます。ロマンがあっていい趣味だねと言ってくれる人もいます。金=お金、砂金掘り=一攫千金の古いイメージが根強く残っている為でしょう。砂金掘りを趣味とする沢山の人の中には一攫千金の考えを持っている人も少しはいらっしゃるでしょうが、私の知っている人の中ではいないように思われます。どうしてでしょう?
sakin-03 私の場合ですと、金に惹かれる人の本能的な魅力もさることながら、採取の技術や行為が好きなのでしょう。大きいのや沢山採れたほうがいいことはもちろんですが、やっているうちに自分の技術が向上していくのは嬉しい事ですし、自然に包まれ美しい川で夢中に砂金を掘る、これもいい。
 何時間も林道を走る、山中で数日間過ごす、川の中を捜し歩く、草花や鳥を見て時には魚も釣る、これもまた趣味、その過程全ての証が幾つもの小瓶に入った砂金や砂白金なのです。その小瓶を見ていると採った時の記憶がよみがえってきます。ですから、その砂金には値段の付けようがありませんし譲る事など(常識的な金額の範囲では)考えられないのです。この小さい砂金には自分の記憶がいっぱい詰まっているのですから。
 前半の良作の話を読んで、さっそく地図を広げ川底にキラキラと輝く砂金を想像されている方もいらっしゃるでしょうが、ちょっと待ってください。何事も準備が肝心、特に砂金掘りは何の予備知識もなくやるとほぼ間違いなく結果は坊主に終わります。後半は私が現在行っている砂金掘りの方法をページ数の許す限り、できるだけ詳しく説明するつもりです。ですがそのとおり行う必要は全くありません。それを砂金掘りの一つの踏み台としてさらに自分なりの改良を加えていって下さい。初めての方は最初から試行錯誤を繰り返すより一足飛びに次の段階から始める事ができ、きっと良い結果が得られると思います。
 砂金掘りを楽しんでいる方々には、何に重点を置くかで様々なスタイルがあります。大きい砂金、小さい砂金、量を求める、各河川の砂金、一つの川を極める、昔の掘り方や新しい掘り方また一つの掘り方を極める、道具に凝る、歴史、地質の研究など挙げればきりがありません。人がなんと言おうが要は自分が楽しければいいのです。自分に合ったスタイルを見つけてください。
 ただ、砂金掘りをする以上は、多かれ少なかれ周囲の自然に影響をあたえる事は避けられません。TPO(時、場所、場合)をよく考え、トラブルの無いよう行きたいものです。
車を止める際や地元の人に合った時などは一言挨拶をするだけで、ずいぶん印象が変わってくるものです。運がよければ貴重な話を聞けるかもわかりませんよ。
 これから書く内容は北海道での砂金掘りを主体としています。動力ポンプを使う方法もありますが、ここでは手掘りのみの紹介です。
砂金と言えば北海道、といったイメージをもたれる方もいらっしゃるでしょうが、最近はそうでもないようです。砂金掘りを趣味とする方々が増え、日本中で採れることがわかってきました。私の住む四国高知でも採取できますし、本州では北海道でもめったに採ることができないようなナゲットが続々と採取されています。貴方のすぐ傍の川の中にも砂金が眠っているかもしれませんね。…………… (本文より)