978-4-89115-213-0北岡 けんいち 著
定価:¥1,200+税
ISBN978-4-89115-213-0  C0036
四六判/238頁/並製
[2010年7月刊行]

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概 要

~読んでみて、作品は詩と言えるか否かなど、文学形式上の問題なんかは関心外になり、短文なのに介護で働く人の様々な喜び、悲しみと将来への展望を著者が色々な視点から考えて描いた内容の豊富さにまず感心しました。(「解説」吉田宏平(社会福祉法人北勉会評議員より)

目 次

第一章 春風
  日詩1話~7話

第二章 六月のアカシア
  日詩1話~13話

第三章 水中花
  日詩1話~10話

第四章 夏の日の恋
  日詩1話~11話

第五章 樹氷の街
  日詩1話~8話

第六章 雪地蔵
  日詩1話~10話

第七章 五番目の季節
  日詩1話~11話

解 説 思うこと 吉田宏平

本文より

あとがき
 最初に、お断りをしておきますと今回、介護員の発言や行動をヒントにしたのは否定しませんが実在モデルはおりません。踏み込んでいると感じられた部分は、飽くまで著者の推理と創作です。作品は毎年秋に施設の「文化祭」があり、広報になる「文集」を出そうと書き貯めていたものが原本です。ある人に読んでもらったら、公にしてはと勧められその気になりました。その時、「これは詩集?みたいね」と言われガックリ。本人は正真正銘の詩と思ってきたのですから。タイトル「五番目の季節」は、当初から決めておりました。介護員の現実と、北国の冬に続く厳冬期を重ね合わせたもので気に入っていたので。かように、私が介護員を考える際はいつも情緒性から入っていく。気に障ったらお許し下さい。
 書き終えて私は長年一緒に働きながら、若い介護員が力強く機嫌よく生きていく具体策を提案できないでいますが、一方介護員さんと言えば。給与を含め職場環境の飛躍的改善が、まだ実現していないのに介護から簡単に逃げない?人を目にするようになりました。もしかして「要介護高齢者が引けも取らない。だったら家族介護の困難なケースは引き受けよう」との意思性を考えはじめつつあるのではないでしょうか。この直感は、いまや期待を超えて僕の確信になっていますけど。かようにマンパワーと介護の質に明るさが続くという、楽観的観測を前提に話をすれば。その要因に、まず心ある介護組織運営者が増えたことかと。少々ゴマすりに聞こえますが個人感想です。現状なら、介護員がワーキングプアに成りかねないと単純に述べた自著に当時、心こもった返信をしてくれたのは施設オーナーからが多かったからです。次いで、世間の後押しもあって介護行政側も奮闘してきた面があると思います。また、雇用不安を含め若者の職業として介護が注目されている社会背景も存在するはず。つまりマクロ的に複雑な原因が絡んでいますが、私は介護員が多分意識下で(その分、純粋に)介護に対する理解を周囲に求め、けなげに努力してきた面に注目したいタイプなのです。よって、ここで著作目的を表現すれば、そんな介護員の静かに頑張る姿を(時には無様な所も見え隠れします。若いのですもの、許容範囲でしょう)、つまり日常で見せる生き様を「詩文」に託したかったのが著作の源泉でした。
 話しは変わりますが、本書では若い人が気分的に快適な仕事を続けられるためにと「一言」アドバイスコーナを作ってみました。これには理由がありまして。まず、原稿を読んだ方にやんわり詩文の芸術性の低さを指摘され自作文を見直し確かに文学的レベルが低いと自認し、さらに妙に博愛的イメージが漂う文が多いことも気になりました。これは、洗練されない地方老健施設長の本態が、「詩文」に出たと反省し、でも負けん気の減らない僕は、その分を取り返したくて追加したのが、「ひとこと」コメントです。結果、力が入り過ぎ見苦しい表現が多くなりました。読後不快感が生じた方は、この告白をもって見逃して頂ければありがたいと思います。
 最後に、詩文や一言に対し、「自分はこう思う」と反論し作品を踏み台にして若い人が今以上に高齢者介護で意欲を燃やして下されば出版の意味があったと考えている次第です。(~後略~)  

プロフィール

北岡 けんいち(きたおか けんいち)
1946年、北海道小樽市生まれ。1971年、北海道大学医学部卒業。老人保健施設ラポール東小樽勤務中。

上記内容は本書刊行時のものです。