978-4-89115-222-2金子 耕弐 著
定価:¥1,300+税
ISBN978-4-89115-222-2  C0037
四六判/230頁/並製
[2011年3月刊行]

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概 要

後悔することのない子育てを!  大切なことは3つ!

STVラジオ、HBCラジオ、ROKラジオ沖縄などで、子育ての番組『ファミリー・トーク』他を担当する著者が豊富なエピソードをもとに、いま子育てに大切なことを紹介!(帯文より)

目 次

まえがき
第1の柱 時間と感動の共有
 愛は時間の共有によって築かれる
 時間をかけて子どもと関わること
 大事なことは子どもと関わる時間か中身か
 「囲炉裏」の意味するもの
 消えた「家族の団らん」
 深刻な「孤食」の実態
 週5回以上子どもと食事をする
 感動を共有すること
 感動を共有した親子
 人は感動の共有無しでは生きられない
 「共感のメディア」…ツイッター
 幼い子どもたちも感動の共有を求めている
 白川郷から持ち帰った宿題の答
 パパの小さい頃の話
 子どもの成長に合わせて感動を共有する
 子どもの成長に敏感であること
 それぞれの子どもと感動を共有する
 関わりの足りなさを反省した父
 父と共有した時間と感動
 青少年が引き起こす凶悪な事件から何を学ぶべきか
 寂しい子どもたち
 おじいちゃん、おばあちゃんにできること
 お年寄りも大きな役割を担っている
 バランス感覚をもって関わること
 不登校 うちの子がなぜ?
第2の柱 親の権威(リーダーシップ)
 大人に聞き従うことを家庭で教えること
 もしスキューバダイビングを始めるなら
 子どもたちはリーダーを必要としている
 子どもは矛盾した存在
 息子の挑戦
 きかん気の強い子をどうするか
 大切な母親の立場
 お父さんの椅子を守る妻
 親の権威を損ねる悪い例
 暴力的な権威の行使は許されない
 親の役割
 積極的に制限された自由を与える
 リーダーとしての自覚
 読み聞かせで想像力を育てる
 技術を身につけさせる
 お手伝いをさせる
 責任をとらせる
 決められたお小遣いでやりくりさせる
 謝ることを教える
 子どもの個性を引き出す
 教育とeducation
 スポーツ選手の名コーチに学ぶ
 倫理観を伝える
 子どもに見せたいもの、見せたくないもの
 子どもたちに基準を示す権威
第3の柱 愛情
 愛情なしでは生きられない
 愛情に支えられる心と体
 伝わらない愛情
 過剰な愛情
 男の子を育てる時の母親の過度な愛情
 愛情には、優しさと厳しさの両面が必要
 期待をかけること
 過度な期待をかけないこと
 無条件の愛
あとがき

本文より

はじめに

 今、私たちはどんな時代に生きているのか?
 家庭や子育てについての講演会で北海道の各地を回った時、日程や内容をPRしてくださったラジオカーの若いレポーターから、こんな質 問をなげかけられました。「金子さん、日本の家庭は今後どうなって行くでしょうか? 家庭崩壊や離婚がどんどん増えていますが、これから良い方向に向かっ ていけるでしょうか」彼女の質問に、私は明るい顔をして「はい期待して大丈夫ですよ……」とは答えられませんでした。「いつも、子育てや家族の絆について お話ししている私が、こんな言い方をするのは心苦しいのですが、これは、大変に難しい問題です。私としては、日本の家庭の崩壊を少しでもくい止めたいと 思って番組を続けているんです」と答えました。核家族化やひとり親家庭が増加し、また地域社会の人間関係が希薄化する中で、子育てをする親たちは孤立感や 不安感を募らせています。また、家族の絆が失われる中で、老人たちが誰にも看取られることなく、世を去って行くことが社会問題にもなってきました。世の中 は、家庭の問題で大混乱しています。
 そもそも、なぜ日本の家庭はこれほどまで危機的な状態に陥ったのでしょうか。それは、世の中が一定の規範や倫理観を失ったからだと、私は考えています。 かつての日本では、意識しようとしまいと儒教的な倫理観が日本人の心に一定の基準を与えていました。でも、幸いにも民主主義的な世の中になり、一人一人の 人権や個性を大切に考える時代になりました。そして、個性を尊重する社会になった時、当然のことながら価値観や倫理観は多様化しました。絶対的な基準は失 われ、自分が感じ考えることが、即ちその人にとっての真理となりました。最近の若者たちは、「ぼく的には……」とか「私って……な人だから」などとよく言 いますが、自分がものごとを判断する基準となったわけです。ところが、皮肉なことに世の中は、一定の基準を失ったことで、結果的に様々な混乱を引き起こし ているのです。
 この状況を分かりやすく説明するために、以前、苫小牧での講演会で、100円ショプで買ってきた巻き尺をポケットから取り出して、会場の人々にあるデモ ンストレーションをしてみせました。「みなさん、両手を前に出してください。そして、1メートルがどれくらいの長さか、私に示してください。今からこのメ ジャーで皆さんの1メートルを測らせていただきますから……。」さて、計り始めると最初の人は86センチ、次の人は120センチという具合で、ぴったり1 メートルの人にたどり着いたのは13人目でした。そこで私は言いました。「いま長さを計った皆さんに、住宅の設計図面をお渡ししましょう。13人の方が全 員協力して、一軒の家を建ててください。ただし、この100円ショップの巻き尺ではなく、先程のように、一人一人が自分の物差しを使って材木を切り刻んで 建てていただきたいんです。」さあ、読者の皆さんはどう思われますか。どんな家ができるでしょうか。きっと形はガタガタで隙間だらけの家ができることで しょう。今の社会や家庭の混乱もこれと同じことが言えると、私は思います。つまり、一定の基準や拘束力を失うと、家庭はガタガタになり、家族はバラバラに なってしまうのです。
 では、こうした事態を避けるためには、どうしたらいいのでしょうか。ある人たちは「かつての日本を取り戻すべきだ。そのためには学校で儒教的な規範を身 につけさせるための道徳教育を復活させるべきだ」などと主張します。でも、儒教とは一体何でしょうか。儒教とは国の支配者を尊び、その国の体制を維持する ための規範です。国の安定をはかるために、まず支配者に対する忠誠心を植えつけたのです。また、社会を構成するいちばん小さな単位である家庭をしっかり保 つために、親子関係や夫婦関係について、さまざまな倫理基準を設けました。ただし、それは一人一人の国民に幸せな人生を送らせることが目的ではなく、あく までも国の体制を維持するためのものでした。日本の武士道や戦前の尊皇思想は、この儒教思想を大いに利用しました。そのような儒教思想を、私たちは取り戻 すべきなのでしょうか。そうはいかないでしょう。では、私たちはどこに戻ればよいのでしょう。いや、それを見つけることができずにいるのが、今の状況なの です。
 私たちは新しい何かを見つけなければなりません。このまま手をこまねいて見過ごしているわけにはいかないのです。だから、私はラジオで毎日、家族の人間 関係や子育てについてお話ししているのです。番組だけでなく、もっと時間をかけてじっくりお話しするために、講演会でもお話ししているのです。そして、さ らに多くの人々に、家族や子育てを真剣に考えていただくために、この本を書く決意をしたのです。

 子どもを育てる3つの柱
私は、子育てや家族の人間関係の改善について、毎日ラジオでお話ししていますが、子育てにはどうしても必要な3つの柱があると考えて います。それは、「愛情」と「時間と感動の共有」と「親の権威(リーダーシップ)」です。この本では、この3つの柱について、私自身の子育ての体験談や多 くの方々からうかがったエピソードなどを交えながら、できる限り分かりやすくお話ししていきたいと思います。
 ただし、この本では現代の家庭と子育てにとって、より緊急性の高いものの順に話を進めていきたいと思います。即ち、「時間と感動の共有」「親の権威(リーダーシップ)」「愛情」という順序です。(「まえがき」より)

プロフィール

金子 耕弐(かねこ こうじ)
1956年、横浜に生まれる。慶應大学文学部(独文科)卒業。1979年、FEBC(Far East Broadcasting Company)東京支社にアナウンサーとして入社。FEBCサンフランシスコ支局(KGEIラジオ・インターナショナル)に転勤。日本向け短波放送番組を担当。1987年(帰国/FEBC退社後)に(株)エイブル語学研究社を設立。同代表取締役となる。1994年、本業の傍らファミリー・フォーラム・ジャパン(FFJ)の設立に協力。現在、同副代表として、子育てや家族・家庭問題についての講演会、ラジオ番組「金子耕弐のファミリー・トーク」のパーソナリティなどで活躍中。2006年~2007年、洗足学園女子中学高等学校で英語科講師を勤める。2男1女の父親。趣味は、スキー・釣り・キャンプ・ギター・作詞作曲・子どもと遊ぶこと。

上記内容は本書刊行時のものです。