978-4-89115-264-2木村 毅 著
定価:¥1,500+税
ISBN978-4-89115-264-2  C1022
四六判/294/並製
[2012年5月刊行]

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概 要

「90年の春」を伝えた日本で唯一の書
歴史を踏まえている人々の前途は明るい。ドンドフ氏もボルド氏もよく語っていたことだが、モンゴル民族にはモンゴル民族の誇る歴史があり、文化があり、伝統があった…。
バトムンフ書記長・ソドノム首相・青年運動家のゾリグなど、実在した人々の行動を通して、アジア史の奇跡となった「無血の民主革命」の“真実”を伝える。(「帯文」より)

目 次

プロローグ〈独立革命〉
第一章 シネチレル(刷新)の時代へ
第二章 ネグデル改革へ
第三章 潮流
第四章 転換
エピローグ〈民族の勇気〉

「あとがき」にかえて

本文より

 キャフタ会議

 一九二〇年六月二五日…………。
 モンゴルの若い多くの民族主義者たちは、一七世紀以来の二〇〇年の長きにわたった清朝中国の支配をはねかえした後も、なおも続いている中国軍閥らによるモンゴルの支配を「今度こそは断ち切って見せるぞ!」と決意して組織をつくっていた。
場所は、モンゴルとロシアの国境にある交易の町キャフタ…………正確にはロシア側の町とモンゴル側の町に分かれる。革命後はモンゴル側は「アルタン・ボラック(黄金の泉)」と変わった町…………会議の名称は、「キャフタ会議」。生まれた組織は「モンゴル人民党」(現人民革命党の前身)であった。
 この結成にかかわった数十人の中の(二〇代の)ある一人の人物と(三〇代の)ある一人の人物との二人は、この年の始めの頃から…………遡ることさらに二年半前である一九一七年の秋に「十月社会主義革命」を達成して世界を震撼たらしめたロシアに行って、「教訓に学びたい」と思っていてその行動に出ていた。
 中国軍閥らからの支配を打ち砕くためにも、その国からの「武器その他の援助を得ていくためにも……」ということなのだった。
 中国服をまとって、あれこれの準備を整えた上で北路に発っていた……。「人目につかぬように」と、森や山の中を選んで進んでいった。
 だがしかし、二人は、キャフタまで来ると、
 「国境付近の中国軍閥の警戒の目は想像を超えて厳しい」。「いまは、国境を越えるすべはないのだ」ということを知らしめられているのだった。
 その人物たちであるが……それは後の「キャフタ会議」の提唱者の一人ともなっていくスフバートルであり、ダンザンであり……なのだった。
 「ロシア行き」は果たせずに終わってしまった。しかし、二人は(…………スフバートルもダンザンも)この時の行動の中からの多くの貴重な情報と教訓を得ていたのだった。
 なかでも最大の情報や教訓であったのは…………、ソビエト・ロシアの赤軍が、イギリス、フランス、日本など、資本主義列強の干渉をはね返しながら、いまや「モンゴルの北辺に近づいている」という事実と、その中にあって、シベリアにいたロシア反革命派の巨魁ウンゲルン男爵率いるロシア白軍はもちろん、中国軍閥のあれこれも、みな必死になって対抗戦を組んでいる……。その中で、「時代は激動の真っ只中に入っている…………」というそのことを強く肌身に感じとっていたことなのだった。 (「プロローグ」より)

プロフィール

木村 毅(きむら つよし)
1936年新潟市生まれ。日本大学卒。
高校教師、組合役員などを経た1988年に「動き出しているモンゴルを見よう!」と初のモンゴル訪問。同年暮れに会員約300人よる新潟モンゴル親善協会を設立。
1990年、民間の交流団体「新潟国際文化交流センター」を設立。「旅ノートモンゴル夢のゴビ」発刊。日モ間初の直行チャーター便を実現し、「新しいアジアの現実」を確認、交流の拡大に当たる。現代モンゴル絵画展の本格的開催なども。
主著に「魅せられてモンゴル」「モンゴルの歴史」「モンゴルの真実」「青空の国・モンゴル」「蒼きあまたの狼たちよ」「教育と人間と」「中曽根・小泉3000日」「誰が日本を売り飛ばしたのか?」「半植民地国家・日本はどこから来たのか」「失われた日本の25年は終わった―」など。
現在、新潟県在住

上記内容は本書刊行時のものです。