978-4-89115-308-3明石 博志 著
定価:¥2,000+税
ISBN978-4-89115-308-3  C1021
A5判/139頁/並製
[2015年4月刊行]

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概 要

“古代の東北地方の蝦夷(えみし)はアイヌ語系言語使用か”
“蝦夷=辺民説・非アイヌ説・アイヌ説などがある中で、蝦夷はアイヌ系か”の論を展開。
28人の蝦夷の名の語頭または語尾等を、同じ語をもつアイヌの名をアイヌの名延べ約4,700人の中から探して、その語頭または語尾等の趣旨を調べ、それを主に用いて蝦夷の名の趣旨を探り調べたものである。

目 次

序章 はじめに
(一) 本研究の礎、動機、仮説
(二) 本研究の目的、仮説検証の方法等

第一章 『日本書紀』七世紀記録の蝦夷(えみし)人名
―アイヌの名から蝦夷の名の趣旨を探る―
(一) 齊明天皇四年(六五八)紀
(二) 齊明天皇五年(六五九)紀
(三) 天武天皇十一年(六八二)紀
(四) 持統天皇三年(六八九)紀
(五) 持統天皇十年(六九六)紀

第二章 『續日本紀』八世紀記録の蝦夷(えみし)人名
―アイヌの名から蝦夷の名の趣旨を探る―
(一) 元正天皇靈亀元年(七一五)紀
(二) 聖武天皇天平九年(七三七)紀
(三) 稱徳天皇宝亀元年(七七〇)紀
(四) 光仁天皇宝亀九年(七七八)と桓武天皇天応元年(七八一)紀
(五) 光仁天皇宝亀十一年(七八〇)紀
(六) 桓武天皇天応元年(七八一)紀
(七) 桓武天皇延暦八年(七八九)紀
参考資料

第三章 結び
補稿 ―本研究の礎に関しての補足―
(一) 吉田巖氏の略歴と主張
(二) 西日本などにもアイヌ語を思わせる地名―新たな発言―
(三) 蝦夷(えみし)ほかについて―人類学者らの見解―
(四) 七、八世紀の東北地方北半域と北海道南西部について

あとがき
参考文献

本文より

あとがき

 私が尊敬している吉田巖氏は、明治時代の終わりころからアイヌの研究と教育に着手され、アイヌ研究の先覚者の一人といわれている。その吉田氏はアイヌの方々に深い愛情を注がれた。そうすることができたのは、アイヌの祖先は日本における先住民であり、彼等と和人とは混血により親族の間柄も同様、という考えを常にもっていたからではなかろうか、と思われる。
 しかし、北海道に開拓・開発などのために移住した和人、及びその子孫のかなりの人たちは、アイヌは和人とは別系統の人たちであり、文化も違うなどと考えてさげすんだようであり、これと似たようなことは、日本の古代社会以降の東北地方の歴史にもあったように推測される。
要するに筆者は“蝦夷(えみし)のこととか、アイヌ民族やその祖先のこと”について科学的に把握し認識することがはかりしれないほど大事だ、と考えた。
 さて、筆者が本研究に取り組み始めたのは、二〇〇一(平成十三)年のことである。それからこれまで、研究仮説“『日本書紀』『續日本紀』七、八世紀に記録の蝦夷(えみし)人名の多くはアイヌ語系”の検証を目標に取り組んできた。そして、やっと約十三年間も費して仮説を検証し“第三章 結び”を書き終えた。つまりは『日本書紀』と『續日本紀』の七、八世紀に記録の蝦夷名の多くは、基本的にはアイヌ語系といえよう。そして、蝦夷の多くはアイヌ語系言語を用いていたアイヌ系の人たちであったのであろう。
 なお、『日本書紀』の七世紀のところに「渡(度)嶋蝦夷(わたりしまのえみし)」の記述がある。その「渡嶋」については、東北北部説と北海道(又は南方面)説とがあるが、近年は後者が有力のようであり、このことには留意したい。
 本稿の研究、作成にあたっては、内田祐一氏が平成二十六(二〇一四)年三月まで、帯広百年記念館副館長、兼アイヌ文化担当学芸員であった当時、同氏から数度にわたりだいぶ助言を受けました。ここに心底から感謝を申し上げます。
 また、多くの方々の著書を参考にさせて頂きましたので、これらの方々に対しても厚く御礼を申し上げます。
 今後、拙稿を契機・礎にして、多くの方々により一層この種の研究が深められていきますことを願う次第です。
 なお、この度は中西出版社のお陰をもちまして発刊することになりました。同社の河西博嗣氏には、遠路帯広の私宅にまでお越し下さったりして、出版に関して種々お世話をして下さいました。ありがとうございました。
  二〇一五(平成二十七)年三月

プロフィール

明石 博志(あかし ひろし)

1932年北海道生まれ。1940~46年、中国東北(旧満州)ハルビン市等に在住、帯広市に引き揚げ。北海道学芸大学(札幌校)卒業、教職に就く。帯広第五中学校校長、帯広百年記念館職員、帯広市史編纂委員会委員長、帯広市文化財審議委員会会長、帯広市史専門委員会座長を歴任。北海道考古学会員、日本考古学協会員。
著書に『日本人の祖先を探る』(文芸社)、共著に『帯広市史(平成15年編)』。帯広市「暁遺跡」等の発掘調査書を手がける。

上記内容は本書刊行時のものです。