978-4-89115-220-8榛谷 泰明 著
定価:¥1,200+税
ISBN978-4-89115-220-8  C0092
A5判/144頁/並製
[2011年1月刊行]

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概 要

全編、詩の形式の本を出すのは、初めてである。形式はさておき、私の意図は随想集をあみ上げること、折にふれて脳裡に去来した由し無し事を書きとめることであった。~(「あとがき」より)

目 次


 歩いていると
 オホーツク沿岸
 谷川岳・雪渓
 顕 現

 見つめられて
 幻 影
 貝 殻
 ねぐら
 沈 黙

 禁足地
 仮 面
 岩・鳥海山
 大雪山・白雲岳
 

 夜っ祓い
 カール山の彼方
 ミラボー橋が落ちて
 空即是色
 調

 
 
 有難う
 非常口
 

 いのち
 ウイルスよ
 縄文ヴィーナス
 試 練
 イランカラプテ

 食べる
 あいつ
 マクロとミクロ
 デデッポーポー 再会!
あとがき

本文より

 全編、詩の形式の本を出すのは、初めてである。形式はさておき、私の意図は随想集をあみ上げること、折にふれて脳裡に去来した由し無し事を書きとめることであった。
 章立てに「序破急」と「起承転結」を借用した。序・破・急は、舞楽や能楽などの劇構成を律する骨組のことであり、起・承・転・結は、漢詩の構成法から波及して、劇作品の組立て方(ドラマツルギー)をも意味するようになった概念である。
 江戸時代中期の浄瑠璃・脚本作者の近松門左衛門は、「虚実皮膜(きょじつひまく)」をドラマツルギーの核にすえている。芸の核心は虚と実の皮膜にある、というのだ。
 私は先達の言にうながされて、虚実の入り交じった空想を羽ばたかせることを眼目とした。あの世とこの世、虚構と現実の皮膜を大胆にめくってみることにした。それには、私の人生の様々な寄り道を回顧することが役立った。
 一、若き日の山行。夏も冬も月一回のペースで山に登った。自然には人間の虚飾が通じないことを知った。
 二、日本全国の民話取材行。語り部たちから、約二千話の昔話を聴いた。人と動物と植物が共生する世界にふれた。
 三、日本列島四つの島の沿岸徒歩(かち)の旅、旧い街道やドイツのロマンチック街道の歩き旅を加えると、一万キロ以上。万象との一体感を経験した。
 四、「北の縄文塾」の設立と縄文講座の開講。かの時代のたおやかな生き方を学んだ。

 以上、その時々の随想メモが姿を変えて、本著となった。

 鉛筆を片手に原稿用紙をにらんでいると、「反宇宙」や「ブラックホール」など、マイナスの世界へとさまよい込む。そんな時に、助け舟がすうっと近寄ってきた。医療法人悠気会熊谷病院の理事長熊谷福夫(妹の夫)だ。彼の明晰なプラス志向が、私の迷妄を吹き払ってくれた。その成果が「再会!」のラストシーン。初稿では人類への絶望が強調されていたのだが、彼の忠告でほのかな希望の光が感じられるように改稿した。
 なお、出版に際しては、中西出版株式会社の河西博嗣氏に前著『縄文の森へようこそ』に引続き、お世話になった。脱稿後に、題名が決まらず悩んでいた時、氏がステキなタイトルを考えてくださった。感謝!(「あとがき」より)

プロフィール

榛谷 泰明(はんがい やすあき)
1935年、北海道生まれ。早稲田大学文学部演劇専修卒業。フリーの脚本家・演出家。映画・テレビ・ビデオ・舞台劇の構成・監督。口承文芸(民話)の記録・文字化。事典・辞典の編纂。紀行作家。『北の縄文塾』塾長。『人間の足跡をたどる会』たどる人。日本文藝家協会会員・日本脚本家連盟員・日本放送作家協会会員

上記内容は本書刊行時のものです。