978-4-89115-230-7長南 敏雄 著
定価:¥1,200+税
ISBN978-4-89115-230-7  C0095
四六判/180頁/並製2011
[2011年8月]刊行]

order-1order-3

概 要

大正・昭和・平成と3つの時代に札幌市民の足として親しまれてきた札幌市電。
草創期の事業家助川貞二郎や初代札幌市長高岡直吉の姿、ササラ電車や散水電車の開発にまつわる苦労話、語られることが少なくなったセピア色に輝く戦前の市電をめぐる出来事、そして、戦後の市電の良き時代、車社会の到来で線路を縮小していく市電の姿をデータに基づいて綴った。 

目 次

はじめに
市電2序 開拓使による札幌の街づくり
第一章 明治~大正期
一 馬車鉄道から路面電車へ
二 「チン・チン電車」が走った日
三 豊平・月寒地区
四 「ササラ電車」と「散水電車」の開発
五 会社時代の路線延長
六 電車のための水利権問題
七 電車の買収交渉
第二章 昭和~平成期
一 市電の発足で社員から職員へ
二 戦時下の市電
三 混乱から復興の時代
四 電車に魅せられた兄弟
五 高度経済成長と市電
六 市電路線の縮小
七 市電を取り巻く環境
あとがき
巻末資料
参考文献 資料・写真提供

本文より

はじめに
 大正、昭和、平成と三つの時代に札幌市民の足として親しまれて来た市電は、都市機能に対応した地下鉄にその王座を譲って久しい。車の普及率が伸びて、年々乗客は減少していったが、いまも札幌の街を走り続けている。八十年余りという歴史の中で市電にたずさわって働いた職員と家族は十万人以上にのぼる。そこには明らかにされなかった様々なドラマや秘話が隠されていた。
 市電で働いた人々の喜びと悲哀が交叉する中、電車に一生を捧げた兄弟がいる。通勤・通学に市電を利用した多くの市民がいる。沿線に住み、市電のあのチン・チンという鐘の音が懐かしいと昔を振り返る住民もいる。
市電は市民に愛され、そして、縮小されていった。それは歴史の変遷ではあるが、札幌市民の生活に溶け込んでいただけに、いま、わずか八・五㌔の距離を走る姿は、何かこころに残るものがある。
 ここに来て環境問題の議論が活発になり、二酸化炭素を多量に排出する車への批判が高まっている。観光資源として、市電の魅力を見直そうという意見もあり、市電の路線を延伸しようという話が持ち上がっている。市電がまた、息を吹き返すチャンスはあるのか。
 そこで本書では、明治初期、開拓使の街づくりの歴史、民営馬車鉄道から路面電車へと経営展開させた事業家助川貞二郎の姿、札幌電気軌道買収に奮闘する初代札幌市長高岡直吉と、その議会での生々しい交渉の様子、また、ササラ電車や散水電車の開発にまつわる苦労話、いまでは語られることが少なくなったセピア色に輝く戦前の市電をめぐる出来事、そして、戦後の混乱から立ち上がって市民のために走った市電の良き時代、車社会の到来で線路を縮小していく市電の姿をデータに基づいて綴った。日本の歴史、札幌の歴史の中から、これまで表に出なかった市電についての事実を掘り起こし、市電を知るための一冊にしたいとの思いがある。
 巻末には資料として市電の歴史表などを添付した。 (「はじめに」より)

プロフィール

長南 敏雄(ちょうなん としお
1941年生まれ。日本大学文理学部卒業。(株)札幌テレビ放送入社
ラジオ・テレビアナウンサー
ニュースキャスターを経てNNN(日本テレビ系列)ロンドン特派員。その後、総理官邸記者クラブ、旧郵政省、旧北海道開発庁他所属。 札幌テレビ放送依願退職。
メディアプロデューサー代表、メディア・アンビシャス会員
苫小牧駒澤大学、札幌国際大学、札幌学院大学 非常勤講師
現在に至る。

上記内容は本書刊行時のものです。