978-4-89115-259-8高桑 哲男 著
定価:¥1,600+税
ISBN978-4-89115-259-8  C0095
A5判/334頁/並製
[2011年11月刊行]

1章(季語)・8章(切字)・14章(名句)の3章を全文公開!!

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概 要

句界の常識を覆す!
芭蕉と蕪村のルーツは諺にある
『合鍵語』で導き出す『新解釈』
芭句・蕪句に秘められた『夢の世界』
  ~「帯文」より~

目 次

1章 馬に乗るまで牛に乗れ…………合鍵語で裏の世界へ(PDF、全文公開
2章 絵に描いた餅…………「夢の世界」の成立条件
3章 里腹三日…………「夢の世界」のルール
4章 猿も木から落ちる…………貧弱陰茎トリオの相手探し
5章 三人木さ登れば一人落ちる…………三人取組の効用
6章 木乃伊取りが木乃伊になる…………相身互いセクスへの憧れ
7章 兄弟は左右の手の如し…………表のペア語は裏でもペア語
8章 春北秋南…………表の季語・裏の季語(PDF、全文公開
9章 江戸の敵を長崎で討つ…………固有名詞も合鍵語
10章 三五の十八…………数に込められた数多くの想い
11章 出る杭の現無き身や蝸牛…………芭句蕪句に取り込まれた諺
12章 苦しい時の神頼み…………苦境の脱出は張形・擂棒で
13章 風前の灯火…………性病がドラマを盛り上げる
14章 あぢきなや真結びに成りぬ足袋の紐…………名句の味わい(PDF、全文公開
15章 秋深き隣は何をする人ぞ…………芭句・蕪句は何だったのか

本文より

序  芭句・蕪句のルーツは諺だった?
(0)本書では、一般紙の社会面の見出しとしても通用しそうな次の三つの「事実」を明らかにしようとする。
 ①芭蕉と蕪村のルーツは諺にあった。
 ②芭蕉と蕪村は17文字の超短編ミステリー作家だった。
 ③芭句と蕪句は老男性を孤独苦から救済する「問題集」だった。
 これらの「三大事実」は、芭句・蕪句・諺の三者がいずれも「表と裏」の両面解釈を持つことから派生する。これまでは「表」の解釈しかなされず、それが唯一の解釈として世間に通用していたことになる。
 上記①~③の概略は次のようである。
 ①芭蕉(1644~1694年)が二十代の前半に諺を学び、諺が「表」と「裏」の二つの解釈を持つことを知り、それを句作に活用して「芭蕉句」を開花 し、独特の俳句道を築き上げた。蕪村(1716~1783年)は諺と芭句がともに「表」と「裏」から成り立っていることに気付き、芭蕉の俳句道を引き継い で一層の充実を図った。
 ②「表」の芭句・蕪句は「事件」の状況報告であり、その陰に潜む興味深い中身・真相は「裏」解釈で明らかにされる。芭蕉と蕪村の力量が問われるのは、このときの劇的展開が読者に与える意外性・共感度・饗応度にある。
 ③「事件」の内容が、「生殖期」に生きている若者・壮年には不案内で、逆戻りができない加齢期にある老男性にとって、自分向けの限定版ミステリーとして解答を模索することで、明日に生きる意欲を持続でき、「閉生期」の鬱状態に陥らずにすむ。
(1)芭蕉の句は閑寂の美を詠み、蕪村の句は絵画的・浪漫的興趣に溢れている。こんな評価が定着している。それではということで、本書で取り上げた次の12句について、芭句か蕪句かを判別してもらいたい。ただし、カッコ内は掲載章である。
 ①秋来ぬと合点させたる嚏哉(2章)
 ②秋の暮仏に化ける狸哉(2章)
 ③頭から蒲団被れば海鼠哉(4章)
 ④あら何ともなや昨日は過ぎて河豚と汁(14章)
 ⑤いざや寝ん元日は又翌の事(14章)
 ⑥一夜鮓馴れて主の遺恨哉(2章)
 ⑦糸桜こや帰るさの足縺れ(2章)
 ⑧猪の狸寝入りや鹿の恋(14章)
 ⑨梅咲きぬどれが梅やら梅ぢゃやら(14章)
 ⑩梅園に褌引きずる主哉(3章)
 ⑪追剥に褌貰う寒さ哉(6章)
 ⑫阿蘭陀も花に来にけり馬に鞍(1章)
 答は④⑦⑫が蕉句、他の9句が蕪句である。正解は専門家が記憶に頼って得るしかないようである。先入観がないと、どれも駄作に見えるし、芭句と蕪句の違 いは見出せない、といったところが大方の実感であろう。芭蕉・蕪村が名人と呼ばれていたのは、「裏」の事件の表現にすぐれていたので、独自に「真相」を見 破った弟子が下した評価かもしれない。
~(略)~

プロフィール

北海道で同人雑誌を発行する21団体で構成。参加同人雑誌は以下のとおり(五十音順)。
A207、江別文学、緒里尽(おりじん)、河108、コブタン、札幌文学、山音(さんおん)文学、視線、創人&ほむら、当別文芸、滝川文学、鉄道林、椽(てん)、扉、道憬(どうけい)、人間像、鉤素(はりす)、びばいろ、響(ひびき)、文学岩見沢、百合が原文芸。

上記内容は本書刊行時のものです。